大家好!チュウコツです(@chukotsu_twitter)
中国語のリスニング力を上げるには、
この二つが持ってこいの勉強法です。
ディクテーション:
発音の基礎であるピンインと声調をしっかりと聞き取りできているか確認できる勉強方法。
オーバーラッピング:
中国語文章を見ながら行うので、初心者でも比較的やりやすいリスニング強化の勉強方法。
オーバーラッピングをスラスラと言えるようになったら、それを更に繰り返していくのではなく次のステップへ進みましょう!
そう!次のステップである、
「シャドウイング」こそが、中国語のリスニングを上達させる一番の勉強法です。
この記事では、リスニングをさらにぐんぐん上達させる勉強法「シャドウイング」に関してまとめました。
記事の要約
- リスニング強化の最強勉強法「シャドウイング」を説明。
- 「シャドウイング」は超難しいけど一石四鳥!
- 「シャドウイング」は正しいやり方でやらないと意味がない。
もくじ
「シャドウイング」とは?
「シャドウイング」とは中国語文章を見ずに、音声だけを聞き、その音声に少し遅れて自分で発声する勉強法です。
音声に0.5秒遅れて、真似しながら喋ります。
こんなイメージです。
音声:现在开始HSK考试,请大家・・
自分: 现在开始HSK考试,请大家・・
英語になりますが、この動画を見ていただくと分かりやすいです。
本田選手が本気でシャドウイングを挑戦中!
見ていただいて分かるように、シャドウイングはかなり難しいです・・・。
ネイティブのスピードに合わせて、一歩遅れて影を追うように自分も発声していくのは、想像以上に難しいものです。
何より、文章を見ないで行うので、100%耳からの情報に頼らなくてはなりません。
耳から得た「中国語の音」情報を用いて、更に自身の口で真似をする。
ん・・・、これって何かの勉強法と似てませんか?

そう!「ディクテーション」です。

ディクテーション:
中国語文章を見ずに、音声だけを聞き、自分で書き取る勉強法。
シャドウイング:
中国語文章を見ずに、音声だけを聞き、その音声に少し遅れて自分で発声する勉強法。
「中国語文章を見ずに、音声だけを聞き」というところまでは一緒で、聞いた「中国語の音」を手で書き取るのがディクテーション、口で発声するのがシャドウイングです。
シャドウイングはディクテーションと比べて、書き取る作業がなく、口から発するだけなので、場所も時間もとらないのが一番のメリットです。
シャドウイングで用意するもの
■CD音声付き参考書
■オーディオ(スピードコントロールや3秒戻し機能あるとより便利)
ポータブルオーディオですが、僕はSONYのウォークマンを使っています。
何かいいポータブルオーディオがないか?なんて探してる方はぜひこちらの記事も参考にしてみてください。

「シャドウイング」の効果
シャドウイングの効果はオーバーラッピング同様に、リスニング力、スピーキング力の両方の強化を図ることができます。
実はそれ以外にも効果があり、とても効率的な勉強方法です!
そのシャドウイングの効果を見てみましょう。
シャドウイングの効果
・発音の矯正
・リズムの定着
・リスニング力の強化
・スピーキング力の強化
発音の矯正
シャドウイングは、中国語の音声を聞くことから始まります。
ネイティブの正しい中国語発音を聞き、真似して発声していくことで、自身の発音をネイティブの正しい発音に近づけていくことができます。
最初の方は、ネイティブ発音を追って発声する自分の発音がめちゃくちゃかもしれません。
自分で何を言っているか、発音が正しいのかすら分からないかもしれません。
しかし、「発音の矯正」という言葉を使っている通り、ネイティブ発音を真似して、自身の発声を繰り返しましょう!
繰り返していくことで、発音がどんどんネイティブに近づいていきます。
当然、基礎的な発音練習を終えていることが大前提です。
発音勉強をもう一度勉強し直したい、根本的に見直しないという方は、発音をマスターするための4つの戦略を参考にしてみてください。

数ある発音参考書の中で、僕が実際に使ってみて効果があった、おすすめの参考書はこちらの記事でまとめてます。

リズムの定着

中国語は、声調(四声)があることで、音の高低・強弱が激しい言語です。
そのため、
中国語は「リズム」を重視した言語です。
音の高低・強弱・長短、間の取り方など、言葉のリズムを「プロソディ」と言いますが、中国語をコミュニケーションツールとして使うためには、「プロソディ」は絶対不可欠な要素です。
初心者の方は、発音勉強を終えると単語のピンインを一つ一つ強く、はっきりと丁寧に発音する傾向にあります。
もちろんそれは正しいのですが、短い文章から少し長い文章になっていくほど、強弱や間の取り方などのリズムを一切無視した読み方は、聞きとって貰えないこともあります。
何より、話す方・聞く方の両者が疲れますね・・・。
シャドウイングは、ネイティブの正しい中国語音声を聞くことで、中国語の正しいリズム「プロソディ」を掴むことができます。
更にそれを自身で真似しながら発声していくことで、中国語の正しいリズムを定着させることができるのです。
「プロソディ」に関しては、発音参考書「中国語発音マスター」のStep4で詳しく書かれています!
リスニング力の強化
シャドウイングのリスニング効果はオーバーラッピングのメカニズムと同じで、こんな感じです。
- 「シャドウイング」を通して、ネイティブの発音とスピード通りに発音することができる。
- → 脳の中に「中国語の音」のデータベースが増える。
- → 瞬時に聞き取れる「中国語の音」が増える。
- → 中国語のリスニング力が向上する。
オーバーラッピングと異なる点は、シャドウイングは中国語文章を見ずに、中国語の音を先に聞くので、聞き取れている中国語の音を確認する!という点が加わります。
中国語文章を見ずに、聞いた中国語の音だけでスラスラ言えてるということは、視覚に頼らずに、しっかりと耳で聞き取れているということです。
ですので、中国語文章を見ずにスラスラ言えるシャドウイングができて初めて、中国語の音を聞き取れている状態と言えます。
スピーキング力の強化

シャドウイングはオーバーラッピング以上に、スピーキング力の強化に効果があります。
音声:现在开始HSK考试,请大家・・
(音声を聞きとり0.5秒後に発声)
自分: 现在开始HSK考试,请大家・・
中国語文章を見ずに中国語音声だけを聞き、その音声通りに自身で発声するシャドウイングは、オーバーラッピング以上にスピードが求められます。
そのため、脳が中国語の音を考える労力がとてもかかります(以下、脳が汗をかくと表現)。
この脳が汗をかいた状態ほど、脳はこいつ本気だな!と思い、「記憶スイッチ」をオンにしてくれる状態になるのです。
この「記憶スイッチ」がオンとなった本気モードで、更に自身の口から話すというアウトプットを行うことで、スピーキング力が格段に増していくのです。
そして、口が中国語を覚えてくれるようになります。
僕もこのシャドウイングを通して、自分の口から話す中国語のスピードが上がるほど、スピーキングの上達にも効果があると実感しています。
「シャドウイング」の勉強法

中国語のリスニングがぐんぐん上達する、「シャドウイング」を使った勉強の進め方をまとめました。
使用する参考書は音声さえあれば何でもokです。
ご自身のレベルに合わせ、ある程度の長さの文章を用意して下さい。
1) 中国語音声を聞く
先ずは、対象の中国語音声を聞きます。
この時、中国語文章は見ずに音声の聞き取りだけ行なってください。
2,3回音声を聞いてみて、内容が掴めているかチェックします。
2) 精読(発音・単語・文法のチェック)
精読は必須です!絶対にショートカットせずに、この精読作業は行なってください。絶対です!
精読を行わないで、音読やシャドウイングなどの勉強を繰り返し何回もやるのは、種をまかずに、ひたすら水をやるのと同じです。( ・`ω・´)キリッ
「精読」は文章を正確に理解していく作業です。
これから先のステップへ進む前に、対象文章の「発音・単語・文法」を100%理解してください。

- ピンインと四声があやふやなら単語の上にピンインと四声を書く。
- 分からない単語があれば辞書で調べる。
- 分からない文法があれば文法書で調べる。
- 長文は主語・述語に分けスラッシュ(/)を引く。
「とにかく調べまくる」「辞書を引く」というクセをつけることを強くおすすめします。
くどくて申し訳ないのですが、僕が中国語をゼロから勉強してビジネスレベルで使えるようになったのは、この「精読」は必須だと僕自身が実感しているんです。
3) 音読
精読を終えたら、精読で理解した内容の確認も含めて、文章を見ながら2,3回ゆっくりと音読します。
音読を通して、発音できない単語はないか?
自分が読んでいる中国語の意味は理解しているか?確認してみましょう。
ポイントは、実際に自分の声で出すことです。
スピードは問わないので、自分の声で出して読むことで、精読までが完璧にできている!という自信をここで持ってください!
4) オーバーラッピング
続いてオーバーラッピングに入ります。
中国語音声に合わせて、中国語文章を見ながら、かぶせるように自身も中国語を読んでいきます。
音声:现在开始HSK考试,请大家・・
自分:现在开始HSK考试,请大家・・
ポイント
- 中国語音声と同時に発声する。
- CD音声よりも少し小さい声で発声する。
- 速度が早ければ、スピードコントロール機能で速度をx0.7〜0.8へ落とす。※機能がない人は、3)の音読に戻り、読み慣らす。
オーバーラッピングは、ネイティブ音声と自分の音をシンクロ(同調)させることが一番大切です。
ですので、とにもかくにも音声を合わせる!ことを意識しながら行なってみてください。
人は自分自身が発音できない音声は、聞き取ることができません。
シンクロ(同調)させてることは、その音声を聞き取れている証拠なのです。
あとは、その「中国語の音」を脳の中にデータベースとして増やし、瞬時に聞き取れるようになるまで、オーバーラッピングを繰り返していきます。
僕の感覚的ですが、最低でも10回、できたら20回以上はこのオーバーラッピングを繰り返してみてください。
その時には、対象文章の中国語は聞き取れるようになってます!
5) シャドウイング
ここでやっと「シャドウイング」に入ります。
音声:现在开始HSK考试,请大家・・
(音声を聞きとり0.5秒後に発声)
自分: 现在开始HSK考试,请大家・・
「オーバーラッピングは補助輪をつけながらリスニング練習している感じ」と僕は思っています。
中国語を見ながら行うという補助輪を外し、本当に中国語が聞き取れている状態になるため、シャドウイングを通してトレーニングしていきます。
ポイント
- 必ず中国語音声に少し(0.5秒くらい)遅れて発声する。
- 追いつけない場合は音声を止めて戻る。
- 速度が早ければ、スピードコントロール機能で速度をx0.7〜0.8へ落とす。※機能がない人は、3)の音読に戻り、読み慣らす。
この時、もしうまくシャドウイング できていない状態であれば、リスニング時に瞬時に聞き取れていない音が多い状態と言えます。
オーバーラッピングに戻り、難易度を少し落として再度聞き取る力をつけ直してください。
逆に、音を聞き取れ、音声通り話すことができるようであれば、シャドウイングを10回以上繰り返してください。
その時には、スラスラとシャドウイングが出来ている状態=対象の中国語の音を100%聞き取れている状態になっていると思います。
同じレベルの中国語の音を使った、新しい中国語音声を別に初見で聞いたとしても、シャドウイングできていたら完璧です!
「シャドウイング」の注意点
シャドウイングは、発音・リズム・リスニング・スピーキングと、多くの中国語力を上達させてくれる勉強方法です。
一方で、本田選手の動画を見ていただいても分かるように、初心者には超難しです!
シャドウイングを行う際の注意点をまとめます
- 必ず精読から行う
- CD止めながらでok
- 難しかったら音読・オーバーラッピングに戻る
初心者の方は、いきなりシャドウイングから行うのはおすすめしません。
必ず精読から行ってください。
シャドウイングが難しかったら、こまめにCD音声を止めながら行いましょう。
分からない・できなかった箇所が続いた状態で、長い音声を聞き流しているだけの状態は避けてください。
音声に追いつくシャドウイングが出来ていない状態であれば、前述の通りまだそのレベルに達していないので、音読かオーバーラッピングに戻り、トレーニングし直してください。
まとめ
中国語のリスニングがぐんぐん上達する勉強法【シャドウイング】に関して、理解して頂けましたでしょうか?
シャドウイングはほんと一石四鳥の勉強方法です!
- 発音の矯正
- リズムの定着
- リスニング力の強化
- スピーキング力の強化
これらを、一気に身につけることができます。
一方で、正しくやり方でシャドウイングをしないと、これらの能力も正しく身につきません。
ぜひ本記事の内容を参考に、シャドウイング を普段の勉強に取り入れてみてください。
リスニング能力がどんどん上達しますよ!
場所を選ばず隙間時間でもできる勉強法なので、ぜひ中国語リスニング上達の一助にして頂けたら嬉しいです!
リスニングを楽しみながら強化するには、中国のドラマをみるのも超おすすめです。
無料で!楽しく!中国ドラマを有効活用できる勉強方法もあるので、ぜひこちらの記事もご参考ください。

それではまた
那我们下期再见!
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