大家好!チュウコツです(@chukotsu_twitter)
中国語を勉強してるけど、なんかしっくりした勉強方法が見つからない。
自分の勉強方法が正しいのか?
このまま続けて上達するのか?
僕は中国語勉強を始めたばかりの当初、こんなことでとても不安でした。
仕事で中国語を使えるようになった今、効果を実感し、今でも継続している勉強方法があります。
それが「音読」です。
本記事では、中国語習得に効果がある勉強方法「音読」に関し、僕の経験談も踏まえ紹介します。
みなさんが普段なにげなくやっている「音読」の、効果に差がでる「おすすめ方法」や「おすすめ参考書」を紹介。
こんな方はぜひ参考にしてみてください!
- 中国語の勉強方法に悩んでいる。
- 中国語の効果的な勉強法を知りたい。
- 音読の効果や学習方法を知りたい。
- 音読のおすすめ参考書を知りたい。
もくじ
「音読」とは?
「音読」とは、書かれた単語や文、文章などの「書き言葉」を、「話し言葉」に置き換えて発音する勉強法です。
小学校や中学校の国語、英語の授業で、教科書を読まされたこととかありませんか?
それがまさに「音読」です!
もう少しだけ詳しく説明してみると、
音読とは?
目で見た「中国語」をもとに、頭の中で音声符号化(ピンイン化)し、どんな発音なのかを把握して、即座に中国語の文法構造や意味内容の理解を行い、自身で声に出して発音する勉強法です。
音読は、ほぼ同時並行で4つの処理操作を行う、多重処理プロセスでもあります。
「中国語文章を読む」から始まり、「その中国語を声に出す(発音する)」に終わるまで、この4つの処理を行うんですね!
- 音声符号化(ピンイン化)
- 文法・意味処理
- 発音(発声)
- 聴覚フィードバック
①音声符号化(ピンイン化)・・・
目に入った中国語を音読するには、音声への転換、つまりピンインへ転換します。
②文法・意味処理 ・・・
中国語とピンインの情報をもとに、文の意味内容を理解していきます。
③発音(発声) ・・・
上記2点を行い、声に出し発声します。
④聴覚フィードバック ・・・
自身で発声した「中国語」を自身で聞き、正しくできているか自身でチェックします。
音読は、この4つの処理を行うことで、それぞれの技能を高めることができるんです。
それでは、音読で得られる効果はどんなものがあるのか?見ていきましょう!
「音読」で得られる効果
音読は同時並行で4つの処理操作を行うことで、大きく3つ「読解力、発音力、表現力」を向上させることができます。
- 音声符号化(ピンイン化) → 読解力
- 文法・意味処理 → 読解力
- 発音(発声) → 発音力
- 聴覚フィードバック → 表現力
それぞれ得られる効果の過程を詳しく見てみます。
読解力の向上
音読は、まず中国語の漢字(文字)と発音を関連づけて、音声化する作業が最初のステップです。
中国語の漢字はそのままでは読めないですよね?
「我爱你」ぐらいの簡単な中国語漢字であれば、感覚で読めるかもしれません。
では次の中国語漢字は読めますか?
敷衍了事,得过且过。
少し長い中国語は読めますか?
在第32届奥林匹克运动会上,全团同志表现出色,取得38枚金牌、32枚银牌、18枚铜牌的优异成绩,实现了运动成绩和精神文明双丰收,为祖国和人民赢得了荣誉。
初心者が上の中国語を正しく読むのは少し難しいですよね。
ただ、読めなければ当然話すこともできません。
外国人である僕たちが、中国語を正しく読むには、ピンイン化して読むことが必須です。
漢字(文字)を「正しいピンインと声調」に表して読む!
音読では、まずこの処理を行うことで読解力が向上できるのと、繰り返すことで読解スピードが鍛えることができます。
そして、読めた音の意味内容を理解する。
先ほどの少し難しい中国語も、「正しいピンインと声調」に表すことができれば、読むこと・話すことのハードルはぐんッっと下がりますよね!
敷衍了事,得过且过
Fūyǎnliǎo shì, déguòqiěguò
(行き当たりばったりに日を過ごす)
また、音読を重ねることで、読解スピードが上がることも、教育現場の研究で報告されています。
参照:音読で外国語が話せるようになる科学
上の画像は、英語学習者を「音読量普通(形式)」と「音読量多い(大量)」に分け、5ヶ月後に読解スピードを比較した結果です。
音読トレーニングを積むことで、読解スピードがアップすること分かります!
外国語に対する音読の有効性を科学的に取りまとめた「音読で外国語が話せるようになる科学」は、音読のやる気を上げてくれます!
発音力の向上
音読で、「話せる!」「スピーキング力が上がる!」
と言いたいところですが、個人的に、音読でスピーキング力の向上までは効果が薄く、発音力の向上が期待されると感じています。
難しい中国語の発音を正しく、きれいに発音するのに、音読はもってこいの学習方法なんです!
- 音声符号化(ピンイン化)
- 文法・意味処理
- 発音(発声)
- 聴覚フィードバック
①②のプロセスで、中国語を読めるように分解、理解し、③で実際に自身で発声してみる。そして④で自己チェックする。
この一連の処理をほぼ同時に行うこと、繰り返すことで、ネイティブのようにキレイに、流ちょうに発音が向上します。
この4つの処理をほぼ同時に行えることが、音読最大の強みで、発音力を高めてくれるんですね!
「ピンインって何?」など、発音の基礎をまだ身につけていない方は、中国語発音本で基礎を身につけましょう。
▼「一番おすすめの発音本は?」中国語発音本のランキング記事はこちら
表現力の向上
音読は、棒読みから、生き生きした表現力豊かな中国語を話すのにも効果的な学習方法です。
音読の特徴は、「中国語を読む」インプットから始まる点です。
これには利点があって、シャドーイングやディクテーションなどと異なり、落ち着いて自分のペースで対象の中国語と向き合うことができます。
言い換えると、「インプット(読む)」と「アウトプット(話す)」の間に、時間・精神的余裕を持たすことができるのです!
この余裕があることで、「感情移入する」、「なりきる」アウトプット(話す)を行うことができます。
コレって、外国語でコミュニケーションをする上で非常に重要で、表現力が豊かなほど相手へ自分が伝えたいことは伝わるようになります。
音読を行うことで、表現力がより豊かになることは、教育現場の研究で報告されています。
参照:音読で外国語が話せるようになる科学
何度も音読を繰り返したクラス(実験群)と、少しの音読指導しかしなかったクラス(統制群)では、音読を繰り返した方が明らかに表現力の定着率が高いことがわかっています。
「音読」の効果的な勉強方法
中国語の習得に大切な「読解力、発音力、表現力」を向上させることができる音読はどのようにやるとより効果的でしょうか?
目の前にある中国語をただボけーっと発音するだけでは意味ありません。
コレは、小中学校での英語の授業や勉強で、痛いほど身に染みていませんか?
音読のちょっとしたコツを僕なりにご紹介してみます!
とにかく「精読」から
初見の中国語をいきなり音読するのは、マジで意味ありません。
まずは必ず「精読」をしてください。
「精読ってなに?」という方はこちらの記事をぜひご参考ください。
音読で行われる4つの処理操作は、「意味を理解した文」の音読をやってはじめて可能になるんです。
- 音声符号化(ピンイン化)
- 文法・意味処理
- 発音(発声)
- 聴覚フィードバック
「発音もあやふや」、「単語の意味もわからない」、「文法構成も不明」
こんな文の中国語を音読しても、なんの意味もありません。
ただ苦痛なだけで、お経を唱えてるようなものです。
精読を行い、意味を理解した中国語文章を使うことで、音読の4つの処理が可能となり、音読による効果を得られるんです。
そのため、精読を行うことも重要ですが、コツとしては「今のレベルから少し落とした中国語文章」を使いましょう!
コレであれば、精読に時間をかけることなく、早く音読を行うことができますよね。
音声を有効に使おう
音読は、中国語文章を「読む」ことからはじまり、自身で「発声する」ため、音声教材を必要としません。
中国語を「聞く」というインプットがないんです。
そのため、「読む」と「聞く」中国語の情報が、かい離してしまう恐れがあります。
ですので、音読をする際は、「読む」だけでなく「聞く」工程も入れることで、「読めて」「聞ける」音読の効果を得ることができるんです。
その際、対象の中国語「音声を聞く」と「文章を読む」ことを“同時にやらない”ことが、科学的に推奨されています。
単純にダブルインプット(読む・聞く)を採用することは大きな問題に直面します。人間の聴覚など感覚入力過程が持つ「選択的注意」というしくみのため、文字+音声の同時処理は不可能なのです。
参照:音読で外国語が話せるようになる科学
そこでどうするかというと、「同時に」行うのでなく、「聞いて」その後に遅れて「読む」という、リッスン&リピート方式が有効です!
文章に句節単位(2秒くらい)の音声を聞き、音声をストップし、インプット音声の発音を十分に意識しながら、文章を音読する。
この方法が大きな効果があると立証されています。
チャンクを意識する
音読は、常にチャンク(意味のかたまり)を意識して行うこと。
例えとして、下の中国語文章を音読するとしましょう。
在中国,大城市的交通拥堵十分严重,汽车尾气也造成了大气污染。而在日本,因为大城市的公共交通很发达,开车出门的人并不很多。我觉得在这方面,中国应该向日本学习。
コレを息継ぎせずに一気に読んだり、単語ごとに区切って読んだりすると、音読の効果は十分に得られません。
チャンクごとに、「 / 」を入れて読むことで、音読の4つの処理操作がより効果的に行われるようになるんです!
在中国,/ 大城市的交通拥堵 / 十分严重, / 汽车尾气也造成了大气污染。 / 而在日本, / 因为 / 大城市的公共交通很发达, / 开车出门的人并不很多。 / 我觉得在这方面, / 中国应该向日本学习。 /
この、チャンクごとの「 / 」は、先ほどの「リッスン&リピート方式」と合わせて行うと、やりやすいと思います。
「音声聞く」→「 / でストップ」→「音読する」→「(次の)音声聞く」→・・・(繰り返し)の流れです。
「音読」のおすすめ参考書
音読は中国語文章さえあればなんでもokですが、「音声がある」「ピンインがふられている」などと、音読に使い勝手の良い参考書もあります。
僕が実際に使ってみた中で、「コレは音読に使いやすいなぁ」と思ったおすすめの参考書をご紹介してみます!
はじめよう中国語音読(初級)
「音読と言ったらこちら!」と、Amazonでの評価もかなり高い人気の参考書です。
音読の効果的な勉強方法としてあげた「精読する」「音声使う」「チャンク意識する」が簡単にでき、音読勉強法に特化した最高の一冊です!
▼はじめよう中国語音読のレビュー記事はこちら
中級者以上の方向けには「中級編」も用意されています!
新ゼロからスタート中国語文法編
「もっと簡単で基礎的な中国語文章」を使いたい方へおすすめしたいのがこちら。
中国語の入門書として、文法を中心に中国語の基礎を学んでいく参考書です。
▼新ゼロからスタート中国語文法編のレビュー記事はこちら
本気で学ぶ中級中国語
中国語文章と、ポイントとなる単語・文法を丁寧に説明してくれた本書は、音読にも使いやすい作りになっています。
「中国語文章、単語、文法説明」は、全て音声が用意されているので、リスニング強化の聞き流しにも使えます!
「音読」まとめ
中国語の基礎勉強方法である「音読」に関して、ポイントをおさらいしてみます!
音読とは?
「書き言葉」を読んで「話し言葉」に置き換えて発音する勉強法です。
音読は地味ですが、同時に4つの処理操作「①音声符号化、②文法・意味処理、③発音、④聴覚フィードバック」が行われ、その効果を得られる勉強法です!
音読の効果とおすすめ勉強方法
音読を行うことで中国語の「読解力、発音力、表現力」が向上します。
音読する前に、精読は必須!
中国語文章は、チャンクごとに区切って、「音声インプット(聞く)→音声ストップ→アウトプット(読む・発音する)」で効果がアップ!
音読は、今にでも取り入れることができる手軽な中国語の勉強法です!
効果を含め色々と書きましたが、勉強を始める前の儀式的な感じとして「音読」を取り入れたりするのもいいと思います。
僕も勉強のエンジンをかけるのに「音読」をやり、中国語勉強熱を高めたりしてましたよ!
「とりあえず何かいい参考書ないか探してて、音読を試してみたい」という方は、こちらの参考書から試してみてください。
音読勉強法に特化した最高の一冊です!
中国語の勉強方法は他にもまとめているので、勉強方法などに困っている方はぜひ参考にしてみてください!
この記事が中国語学習のお役に少しでも立てたら嬉しいです。
それではまた
那我们下期再见!
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