大家好!チュウコツです(@chukotsu_twitter)
ほとんどの人がしていない超絶大切な勉強法。それが「精読」です。
僕も、中国語をビジネスレベルで習得した上で振り返ると、
精読は、「HSK対策から、スピーキング力・リスニング力・読解力の向上」など、全ての能力向上に、必須だと実感しています。
「音読、シャドーイング、ディクテーション(听写)」などの勉強法を、より効果的にするのが、「精読」なんです。
僕も実感していますが、中国語の勉強に「精読」を取り入れると、中国語の習得もグッと早くなる。
けど、この「精読」、多くの人が良く理解していなく、取り入れていないんです。これはもったいない!
Twitterでアンケートしてみたところ、80%が「精読」を知らない、勉強に取り入れていないという結果でした。
中国語を勉強中の方、ぜひ教えてください🙏
中国語の勉強に「精読」を取り入れてますか?— チュウコツ🇨🇳@中国語情報をお届け…✒️ (@chukotsu) May 25, 2022
本記事では「中国語の勉強効率をグッと引き上げる」精読を紹介します。
初心者が知らない学習方法とそのコツを紹介。普段の中国語勉強を少しでも、効率化して頂きたい、意味があるものにしたい!という気持ちでまとめてみました。
特にこんな方はぜひ参考にしてみて下さい。
- 中国語学習初心者
- 精読の効果・メリットを知りたい
- おすすめ勉強法を知りたい
- 音読やシャドーイングで効果を感じない
この記事でわかる事
- 精読はどんな効果があるのか?
- 精読の効果的なやり方。
- 精読は他の音読やシャドウイングの効果を超絶引き上げる。
もくじ
読解力を上げる「精読」とは?
本記事での「精読」とは、対象の中国語文章を、自分の持つ知識と、辞書や文法書を使いながら、文章を正確に理解していく作業のことを指しています。
精読とは?
文章で使用されている発音・文法・語彙を100%理解できる状態にすること。
100%は言い過ぎですが、少なくとも80%以上理解している状態で、「自分はこの文章を自信を持って説明することができる!」という状態になっていることが大切です。
この精読は、英語学習者でもとても大切とされている勉強方法です。
僕が知る限り、非ネイティブの語学上級者は、精読にたくさんの時間をかけ勉強しています。
1年6か月でHSK6級を合格し、今では中国語翻訳者である「嫁氏」もこの精読にはとても時間をかけて勉強していました。
彼女が通っていた大学の中国語授業では、初級者は精読に関連する授業が大半を占めていたのです。
それだけ大事ってことですね!
中国語を教えるプロも、中国語を習得するために、「精読」を重要視しています。
読解力を上げる「精読」の効果・メリット
精読を行うと、どのような効果が期待できるのでしょうか?
答えは「文章で使用されている発音・文法・語彙を100%理解できる状態になること」です。
対象となる中国語文章が「なんとなく分かった」ではなく、「100%理解できる状態」に引き上げることが、精読の効果であり目的です。
試しに下の文章を読んでみてください。
この読書報告書は2018年の浙江省の各公共図書館の貸し出しデータが基になっている。2018年、同省で図書館の貸出カードを持っている人は1868万9千人で、168万6千人が各種文献(図書、定期刊行物、マルチメディア資料などを含む)5148万9千冊(点)を借りていた。同年の浙江省の常住人口5737万を基に計算すると、1人あたりの借覧冊数は0.90冊(点)になる。
参照:人民日報より引用
次に、下の中国語文章を読んでみてください。
这份阅读报告以2018年浙江各公共图书馆的外借数据为基础。2018年,该省持证读者1868.9万人,有168.6万人借阅各类文献(含图书、期刊、多媒体资料等)5148.9万册(件)。按当年浙江常住人口5737万计算,人均借阅0.90册(件)。
参照:人民日報より引用
なんとなく、中国語文章の内容が分かった気になっていませんか?
実は僕が初心者だった頃、中国語参考書にある中国語文章を勉強していては、日本語対訳をすぐ見て、なんか分かった気になっていたんです…。
この「分かった気になった」まま、勉強を進めていっても、発音・文法・語彙の定着度は低く、すぐ忘れていってしまいます。
そこで必要な勉強方法が「精読」です!
繰り返しになりますが、精読の効果とは、「分かった気になる」から「理解できる」状態へ引き上げることです。
特に、中国語は発音がとても大切です。
文章だからといってピンイン・四声をないがしろにするのでなく、精読を行うことで発音も含めて100%理解できている状態を目指しましょう。
精読の効果とは?
文章で使用されている発音・文法・語彙を100%理解できる状態になること。
精読の本当の効果
精読を行うことで、発音・文法・語彙を100%理解できる状態にすることができたとしても、そこがゴールではありません。
(各個人によりますが)ゴールはあくまでも、中国語を用いて流暢なコミュニケーションを取れるだけの中国語を習得することです。
そのためにも、“その他”の勉強が重要です。
流暢な中国語を使いコミュニケーションを取るために必要な“その他”の勉強方法とはどんなものがあるのでしょうか?
“その他”の勉強方法と効果
■音読:発音・文法・語彙力の向上
■ディクテーション:発音・リスニング力の向上
■オーバーラッピング:リスニング・スピーキング力の向上
■シャドーイング:リスニング・スピーキング力の向上
■瞬間中作文:ライティング・スピーキング力の向上
■暗記:スピーキング力の向上
精読を行う前に、これら勉強法を行っても効果は低いです。
なぜか?
「発音・文法・語彙」を正確に理解できていない状態だからです。
ちょっと考えてみてください!
「発音がわからない、単語の意味がわからない、文の意味がわかっていない」
このような状態の文章を使って、何回もシャドーイング勉強をやったとします。
その中国語文章の日本語訳を説明し、文法構造まで説明することができるようになると思いますか?
正直かなり難しいです。
文章の構造と、内容を理解していない状態で、その文章を何回聞いて・発声練習したとしても、正確に理解していくことは難しいです。
荒い言い方になりますが、お経を唱えているのと同じような感じです。
そこで必要な勉強方法が「精読」!
精読で発音・文法・語彙を100%理解できる状態にしてから、その他の勉強を繰り返し行なっていくことで、はじめて中国語が身につくようになります。
精読は、文章を使った“その他”の勉強方法を行う前の必須条件、
中国語の習得スピードを効率的に上げるための、必須勉強方法と覚えておいてください。
精読の本当の効果とは?
“音読”や“シャドーイング”などの勉強の前に行うことで、中国語の習得スピードを効率的に上げる。
精読をせず、音読やシャドウイングなどの勉強を繰り返し何回もやるのは、種をまかずに、ひたすら水をやるのと同じです。
精読のやり方
それでは、精読の詳しい勉強方法を見てみましょう。
大きく2つのパートに分かれます。
- 中文を読み込み、日本語に訳せるか確認する。
- 中文が理解できていなければ、分からない箇所を分析し解決する。
①で分からない箇所をスクリーニングし、②で分析し分かるようにするという流れです。
それでは具体的な進め方を見てみましょう!
1. 中文を読み込み、日本語に訳せるか確認する。
下記中文を例とし進めていきます。
固有名詞 内田:女性 中山:男性
今天下午内田正在图书馆看书,中山来找她。
中山问内田那天开车的男的是谁?
内田说是他哥哥。
中山放心了。
他送了内田一个跟漂亮的生日礼物。
中文をまず速読・熟読
まずは対象の中文を速読してみましょう。
速読とは、読んで字のごとく「速く読むこと」で、分からない箇所があっても一定のペースで読み込んでいきます。
初心者は発音のチェックが重要になるので、声に出しながら速読してみてください。
ここで、少しでも詰まってしまう箇所があれば、下線などを引いてチェックします。
次に対象の中文を熟読します。
速読で詰まってしまった箇所を含めて、日本語に訳せるか?
発音できたり、読めていても、日本語訳が分からなければ実際のコミュニケーションで役に立ちません。
単語の意味や文法の使い方がわからない箇所があれば、丸などでくくりチェック。
このように、「発音・単語・文法」を踏まえて、対象となる中文を日本語に訳せるかを確認し、分からない箇所はチェックしておきます。
2. 中文が理解できていなければ、分からない箇所を分析し解決する。
分からない箇所は、何か原因があります。
なぜ分からないのか?
それをこのチェック項目に沿って確認します。
チェック項目
(1) 発音
(2) 単語の意味
(3) 文構造(主語・述語)
(4) 文法
(1) 発音
中国語の最重点課題である「発音」を正しくできるか?
発音できなければ、当然話すこともできないし、相手に聞き取ってもらうことができません。また、自分ができない発音は、相手が発しても聞き取れないです。
対象の中文は、ピンインにおこせるか?四声はあってるか?をチェックします。
少しでも怪しければ、辞書を引き中文の上にピンインと四声を書き込みます。
例となる中文の中で、仮に「漂亮」の発音が分からない。「礼物」の四声が怪しかったとすると…
■■■■■■■■
他送了内田一个跟 的生日
こんな感じで、ピンインと四声をチェックします。
中国語は、本当に本当に発音が大切なので、発音がまだ不完全な方は、先に発音勉強を重点的にやることをおすすめします。
▼「発音マスターのための戦略」は、こちらの記事をご参考ください
▼「発音参考書」を探している方は、こちらの記事もご参考ください
(2) 単語の意味
そもそも単語の意味がわかっているのか?
単語の意味は当然ながらも、品詞(動詞、形容詞、副詞など)もチェックするようにしてください。
意味が分からない単語があれば必ず辞書を引き、書き込みましょう。
■ 安心する
中山放心了。
▼「中国辞書アプリのおすすめ」は、こちらの記事もご参考ください
(3) 文構造(主語・述語)
中国語の文構造は基本「主語+述語」
主語・・・何が(誰が)
述語・・・どうする、どんなだ、何だ
まずは、大きくこの区別をつけてみてください。
また、中国語の多くは「主語(S)+動詞(V)+目的語(O)」で形成されているので、この「(S)、(V)、(O)」で区切るクセをつけるのもおすすめです。
中国語は、「主語」と「述語(動詞 or 形容詞)」を強めに発音する傾向にあります。
そのため、文構造として「主語」が何なのか、「述語」がどこに当たるのかをしっかりと見極めて、スラッシュなどで区切っておくことをおすすめします。
この文構造を見抜くスピードが上がると、読解・リスニング時に理解できるスピードも上がります。
逆に言うと、この精読による文構造理解ができていないと、読解力・リスニング力はつきません!
とても大切な作業なので、初心者の方は最初から文構造を見極めるクセをつけておくことを強くおすすめします。
(4) 文法
文構造をさらに理解するために、文法・構文をチェック。
中国語の文法は、英語より簡単で、多少の語順が間違っていても通じることが多いです。
▼「中国語の文法が簡単な理由」は、こちらの記事でまとめてます
それでも、文法チェックをするのは、
文法という一つの法則を理解する事で、これから増えてくる「長〜い文章」に、少しでも早く読み解いていくためです。
中国語の長い文章を読み解くことを、一般道での車の渋滞と例えると、文法を理解している事は「空いている高速道路を使い早く目的地に到着する」様なものです。
そのためにも、精読時は文法書を使い、分からない文法や構文はチェックするクセをつけてください。
文法書は、「Why?にこたえるはじめての中国語の文法書」を1冊持っておけば、間違いないです。
▼「Why?にこたえるはじめての中国語の文法書」のレビュー記事はこちら
精読後の勉強も大切!
精読は「中国語文章を正確に理解するための作業」です。
「理解」するための作業なので、「定着」させ「実用」するための作業ではないのです。
要は、精読“だけ”してても中国語を喋れる様にはならないよ!という事です。
先ほど、こう言いました。
精読を行わないで、音読やシャドーイングなどの勉強を繰り返し何回もやるのは、種をまかずに、ひたすら水をやるのと同じです。
精読という種をまいたは良いものの、水をやらないと「中国語がペラペラになる」という果実は得られません。
ですので、
精読で中国語文章を理解した後は、中国語文章を使った勉強を、必ず繰り返し行って下さい!
初心者のうちは、短文系の教材を使い、精読後に「音読・オーバーラッピング」で何度も何度も反復し、スラスラと言える様になるまで繰り返します。
次に、「シャドーイング」でスクリプト(中国語文章)を見ずに、スラスラ言えるまで繰り返します。
最後に、精読におすすめな参考書を紹介します!
「HSKの過去問」は、試験対策で、精読のクセをつけるのにはもってこいの参考書。
問題を解いた後は、中文スクリプトにガンガン精読して、過去問を使った勉強を重ねましょう!
「本気で学ぶ中国語」は、初心者向けの中国語短文を中心にまとめられた、精読におすすめの参考書。
全て中国語にピンインと四声が記載されているので、精読に慣れていくには使いやすいです。
「ネイティブが使いそうな日常会話を使いたい!」という方にはこの「起きてから寝るまで中国語表現1000」が楽しく使えます。
ネイティブが普段使う「クスッ」と笑ってしいそうな表現も多くて、僕もフル活用しています(笑)
▼「起き寝る中国語表現1000」のレビュー記事はこちら
「精読」まとめ
中国語の基礎力、基礎力と学習効率を爆上げする勉強方法「精読」をまとめてみました。
最後にもう一度、おさらいです。
精読とは?
文章で使用されている発音・文法・語彙を100%理解できる状態にすること。
“音読”や“シャドーイング”などの勉強の前に精読は先に行うことで、中国語の習得スピードを効率的に上げることができる。
初心者時代は、めんどくさいかもしれませんが、とことん辞書を使って調べまくる!精読!これに尽きます。
精読がほどほどできるようになったら、実践練習としてオンライン中国語もうまく活用してみましょう。
インプットとアウトプットを繰り返していく事が、中国語マスターへの近道です。
▼中国語オンラインスクールの比較記事はこちら
この記事が中国語学習のお役に立てたら嬉しいです。
それではまた!
那我们下期再见!
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チュウコツ(@chukotsu_twitter)
精読についてよくわからなくて調べたらこの記事にたどり着きました
おかげさまでなんとなく理解できました!
音読するまえに文章を理解することが大事ということを改めて理解しました。
それにしても勉強法がたくさんまとめられてますね!
独学なのでめちゃくちゃ助かります。
これからの中国語の勉強に活用させていただきます。
お役に立てて良かったです!
精読はほんと大切で、記事にも書いている通り、先にやっておくことで、
音読やシャドウイングが断然効率的・効果的になります。
面白くないのでみんなショートカットしがちですが、精読はぜひ実践していただきたいです。
中国語の勉強に関して、ブログやツイッターで発信してますので、ぜひご参考になさって下さい^ ^