大家好!チュウコツ(@chukotsu_twitter)です。
中国語ってなかなか聞き取れないですよね?
ただ、残念ながら、
中国語聞き取れない
= 中国語しゃべれない
です(汗)。
そこで、中国語を「聞いて理解できる」ようになる勉強法をご存知でしょうか?
それが、「ディクテーション(听写)」です。
ディクテーションは、ちょっとめんどい勉強法ですが、その分「中国語の基礎力・リスニング力」を確実に引き上げてくれます。
この記事では、多くの中国語学習者が知らない、ディクテーションの効果と、効果に差がでる正しいやり方を紹介します。
こんな方はぜひ参考にしてみてください!
- 中国語のリスニングに悩んでいる
- 発音勉強中
- 発音が全然聞き取れるようにならない
- 効果的なディクテーションのやり方を知りたい
もくじ
「ディクテーション(听写)」とは?
ディクテーションとは、
「中国語音声を聞いて、その中国語文を見ずに書き取る」
勉強方法です。
流れる中国語音声をしっかりと聞き取れ、且つ語彙(単語)力があれば、書き取ることが出来ます。
逆に、音声を聞き取れなかったり、語彙力がなければ、その箇所は書き取ることが出来ません。
ディクテーションは、中国語の音声を聞き取れているか?を診断する勉強法でもありますね。
中国語の場合、書き取りには「ピンイン」と「漢字」があるため、ディクテーションを行うことで以下の診断ができます。
- 音声聞き取り× 書き取り全て×
- 音声聞き取りok ピンインok・漢字×
- 音声聞き取りok 書き取り全てok
用意するのは、中国語音声と紙とペンだけでokです。
「どんなものか?」は、実例を見ていただいた方が早いので、実際にやってみましょう!
ここに一つの音声を用意しましたので、皆さんは「紙とペン」を用意して下さい。
用意できたら、下の音声を聞き、流れてくる中国語を実際に書いてみましょう。
どうでした?
ちゃんと聞き取り、書き取ることが出来ましたか?
正解はこちらです。
ピンイン:wǒ zài jīchǎng kànjiàn lǎo péngyǒule
漢字:我在机场看见老朋友了
これがうまく書き取れていたら、下記の能力が備わっています。
【ディクテーションの診断ポイント】
- ピンイン書ける→発音・リスニング力
- 漢字書ける→語彙、ライティング力
ディクテーションは、正しくできていたら、「聞いて理解できる」レベルに達している。
= ディクテーションの効果(後述)
逆に一部の文字が書ききれていなかった場合、そこに問題があることが分かります。
ディクテーションは、このように「発音」「リスニング」「語彙(単語)」「ライティング」の能力を確認できるとともに、それらの能力強化を図ることができるのです。
ディクテーションのgoodな点
自分の能力診断 → 苦手な箇所を確認 → 苦手な箇所を勉強 → 改善
続いて、ディクテーションの効果・メリットを見ていきましょう。
「ディクテーション(听写)」の効果・メリット
ディクテーションは、シャドーイング同様にリスニング力を中心に、複数の能力を引き上げてくれます。
ディクテーションの効果
- リスニング力の強化
- 単語、ライティング力の強化
- 弱点の把握
- 「読める」から「聞いて理解できる」ようになる
リスニング力の強化
ディクテーションのリスニング効果は、シャドーイングのメカニズムと同じです。
- 「ディクテーション」を通して、ネイティブの発音とスピード通りに発音することができる。
- → 脳の中に「中国語の音」のデータベースが増える。
- → 瞬時に聞き取れる「中国語の音」が増える。
- → 中国語のリスニング力が向上する。
中国語文章を見ずに、聞いた中国語の音だけでスラス書けるということは、視覚に頼らずに、しっかりと耳で聞き取れているということです。
ですので、中国語文章を見ずにスラスラ書けるディクテーションができて初めて、中国語の音を聞き取れている状態と言えます。
単語、ライティング力の強化
ディクテーションは、「書く」ことでアウトプットします。
中国語文章を見ずに中国語音声だけを聞き、その音声を「ピンイン」「漢字」で正しく書くことになるので、まずは「語彙(単語)」力が必要!
正しい単語を、正しい文法を使い、つなぎ合わせて中国語を書いていくので、ライティング力もメキメキ鍛えられます。
弱点の把握
僕が一番感じているディクテーションの効果・メリットは、「弱点の把握」です。
前述の通りディクテーションは、自分が聞き取れなかった箇所を明確に把握することができるのです。
その発音(ピンイン・声調)が聞き取れず、漢字が書ききれなかった事実が突きつけられます。
これって、辛いことなのですが、とても大切なこと。
なぜなら、そこを改善したら、その間違えた発音、単語、文法は一気に習得できるようになるからです。
みんな自分に甘いから(当然僕も)、間違えた箇所、できなかった箇所は、それっぽく分かったフリして放置しちゃうんですよね。
ディクテーションは、紙の上に書き、それが残るので、いやがおうにもダメな箇所が露呈されます。
= 弱点を明確に把握できる
あとは、その弱点を中心に、音読、オーバーラッピング、シャドーイングなど、トレーニングを行い、克服していけばいいのです。
「読める」から「聞いて理解できる」ようになる
中国語は、「表意文字」と呼ばれ、「文字(漢字)」と「意味」が非常に近い言語です。
流れる中国語音声を聞き、正しい漢字で書きとる。
この時点で、流れてきた中国語を「理解できる」レベルに達しているのです!
これら4つの効果が、「中国語の基礎力・リスニング力を確実に引き上げてくれる」のです。= ディクテーションのメリット
効果に差がでる「ディクテーション(听写)」のやり方
初心者向けディクテーションのやり方をまとめてみます。
おすすめは、漢字とピンインを両方書くこと。
先ほどの例で、「我在机场看见老朋友了」と書きましたが、最終的にはこのように書いてみましょう。
漢字の上にピンインを書き書き_φ(・_・
「音声(聞く) → 漢字(書く) → ピンイン(書く)」このサイクルで、中国語能力を診断するためです。
先ほど、
ディクテーションは、このように「発音」「リスニング」「ライティング」の能力を確認できるとともに、それらの能力強化を図ることができるのです。
と説明したように、ディクテーションは「発音」「リスニング」「ライティング」に関与します。
そのため、初心者がディクテーションを「音声(聞く) → 漢字(書く)」と行う場合、発音が正しく聞き取れているかまでは完璧に診断する事ができません。
音声と漢字が紐付けれても、その発音能力が備わっているかまでは完璧に言い切れないからです。
初心者は、正しい発音を理解した上で、語彙の「漢字とピンイン」を完璧に紐づけ、覚える量を増やしていく事がとても重要です。
「音声ー漢字ーピンインー意味」これら全て紐づけ、覚えていきましょう!
中国語単語の効果的な覚え方は、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。
ここからは初心者向けに2つの方法で、ディクテーションのやり方を紹介します。
初心者向けやり方 その1
対象:発音勉強中の超初心者
目的:中国語の発音を区別し、聞き取る
用意:紙・ペン・音声付き発音参考書
中国語の音に慣れ、発音の区別ができるようになるための勉強方法です。
本当に中国語の勉強を始めたばかりの方におすすめ!
ここでは、参考として「紹文周の中国語発音完全マスター」を活用してみます。
▼「紹文周の中国語発音完全マスター」のレビュー記事はこちら
ステップ1:
自分の苦手な「母音」「子音」パートを選ぶ。
ここでは、p68【zh】【ch】のCDトレーニングを活用。
ステップ2:
音声を流し、聞こえてくるピンインを書き取る。
ステップ3:
再度音声を流し、参考書を見ながら書いたピンインが正しいかチェックする。
それでは、ちょっとやってみましょう!
下記音声を聞きながら、ピンインを書いてみて下さい。
※音声が早すぎる場合は、一時停止して区切りながら書いてみましょう。
うまく書けましたか?
1回聞いて分からなかったら、2〜3回聞いてみましょう。
僕もやってみました!
こ、こんな感じです。
汚い字で恐縮です・・・。
ここでは、「音声(聞く) → ピンイン(書く)」までとし、中国語の音節・発音がしっかりと聞き取れているかを確認する作業とします。
本当に初歩の初歩です。
しかし、このピンインの区別がしっかりと出来なければ、前に進むことはできません!
実際にディクテーションをやってみて、自分がどの発音、どの四声(声調)が苦手なのか?逆に得意なのか?を把握する。
そして、苦手な箇所は強化的に練習して改善へと繋げて下さい。
得意なところは自信を持って、さらに磨きをかけましょう!
初心者向けやり方 その2
対象:ピンインの区別ができる初級者
目的:リスニング強化
用意:紙・ペン・音声付き発音参考書
次は一歩進み、単語や短い文の音声をしっかりと聞き取り、意味を理解するための勉強方法です。
上の「やり方1」を使い、ピンインの区別ができるようになった方むけです。
ここでも、参考として「紹文周の中国語発音完全マスター」を活用します。
ステップ1:
「単語」もしくは「短い文」のパートを選ぶ。
ここでは、p105単語のCDトレーニングを活用。
ステップ2:
音声を流し、聞こえてくる漢字・ピンインを書き取る。
先に漢字、次にその漢字の上にピンインを書く。
ステップ3:
再度音声を流し、参考書を見ながら書いた漢字・ピンインが正しいかチェックする。
それでは、この要領で今回も実際にやってみましょう!
聞く→ 書く (漢字) → 書く (ピンイン)の順ですよ!
どうでしたか?
僕はこんな感じでした!
正解はこちらです。
吃起来了 Chī qǐláile (食べ始めた)
吃着 Chīzhe (食べている)
吃了 Chīle (食べた)
吃过 Chīguo (食べた事がある)
刚吃的 Gāng chī de (食べたばかり)
他的家 Tā de jiā (彼の家)
不停地写 Bù tíng de xiě (休まずに書く)
听不懂 Tīng de dǒng (聞いてわかる)
次に、もう一度音声を聞き、参考書を見ながら、自分が書いた箇所を添削していきます。
僕が実際にやったディクテーションを添削してみました。
結果として、ピンイン2ヶ所のミス。
これを自分なりに診断・分析するとこのような事が分かります。
【ディクテーションで診断できるポイント】
- ピンイン書ける→発音・リスニング力ほぼok
- 漢字書ける→ライティング力ok
全体的にこのレベルは問題無いようですが、ピンインを少し間違えていたことからも、「発音がまだ完璧でない」と分かります。
それが分かれば、その箇所(不停地写 Bù tíng de xiě)の音読、オーバーラッピングを繰り返し、改善していけばいいのです!
「脳内ディクテーション(听写)」のすすめ
ディクテーションですが、大きな欠点があります。
- 時間がかかる
- 机で勉強しないとできない
そのため、スキマ時間でやるのは困難です。
そこでおすすめな勉強法が「脳内ディクテーション」です!
脳内ディクテーションとは、その名の通り書き書き_φ(・_・せずに、頭の中でやるディクテーションです。
中文音声を聞いて「聞き取れる箇所・発音」「聞き取れない箇所・発音」を確認しましょう。
頭の中で、流れてきた中文の「ピンイン」と「漢字」を思い浮かべる。
コレだけでokです!
例えば、
音声で「ウォーシーホワンヨウヨン」となんか中国語っぽい音が流れてきたとします。
それを頭の中で「ピンイン」と「漢字」を思い浮かべる(頭の中で書き込んでみる感じ)ようにしてみましょう!
ピンイン:Wǒ xǐhuān yóuyǒng
漢字:我喜欢游泳
この「ピンイン」と「漢字」が思い浮かび、さらに「音声ーピンインー漢字ー意味」が結びついていたら完璧です!
参考書などの中文は見ない!
見ながらだと、分かった気になるだけです。どこが聞き取れないのか?自分の足らずを確認し、そこを潰していく意識を持ちましょう。
脳内ディクテーションは、紙に書く必要が無いので時間がかからないし、場所も選びません。
この脳内ディクテーションは、中文を見ながら聞けば簡単に感じるのに、音声だけでは聞き取れないという人におすすめです。
「ディクテーション(听写)」まとめ
「中国語の基礎力・リスニング力を確実に引き上げてくれる」勉強法、ディクテーションを紹介しました。
最後におさらいです。
ディクテーションとは?
「中国語音声を聞いて、その中国語文を見ずに書き取る」勉強法
メリット・効果は?
- リスニング力の強化
- 単語、ライティング力の強化
- 弱点の把握
- 「読める」から「聞いて理解できる」ようになる
ディクテーションは、ぶっちゃけめんどい勉強法ですが、その分必ず効果もあります。
初心者の方は、「初心者向けやり方その1」から、ぜひ挑戦してみてください!
発音参考書はこちらの記事で僕が実際に使ってみたおすすめを紹介しています。
▼「発音参考書」ランキング記事はこちら
また、繰り返しになりますが、ディクテーションは「自分の能力診断 → 苦手な箇所を確認」するのに適した勉強方法です。
当然、苦手な箇所を確認するだけでは発音の理解とリスニング力の向上はできません。
苦手な箇所 (音が聞き取れない箇所)は、「音読・オーバーラッピング・シャドーイング」などの練習で、聞き取れるまで繰り返します。
精読→ディクテーション→音読・シャドーイング
コレが最強の学習サイクル!
この流れが最高に効果的なのですが、こちらの記事で、僕の3ヶ月実践による実感した内容をまとめてます。
お時間ある方はぜひ参考にしてみてください。
▼「ディクテーション3ヶ月実践」記事はこちら
発音、リスニングの向上には、スキマ時間にサクッと勉強できるアプリ活用もおすすめです。
▼中国語がぐんぐん伸びる!中国語勉強に役立つアプリ虎の巻はこちら
この勉強方法が少しでもお役に立てたらとても嬉しいです!
それではまた
那我们下期再见!
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