大家好!チュウコツです(@chukotsu_twitter)
難しい中国語の発音ですが、皆さん勉強は順調に進んでいますか?
中国語の発音は一朝一夕で習得できるものではなりません。
毎日の継続した発音勉強は当然ながら、
「自分にあった発音の勉強方法」そして、使いやすく・効率・効果的な「中国語発音参考書」の活用が、発音習得への近道となります。
本記事では、「中国語発音マスター」が、発音習得への近道となる参考書なのか?含めて、ご紹介いたします。
こんな方はぜひ参考にしてみてください!
- 発音勉強中の方
- 発音の基礎に困っている方
- 発音をもう一度勉強しようと思っている方
▼「一番おすすめの発音本は?」中国語発音本のランキング記事はこちら
中国語発音マスターの概要
Amazonの中でも比較的に評価が高く、黒いカバーが目を引くこちらの参考書!
中国語発音マスター CD付き
古臭いカバーが多い中国語発音参考書の中でも、ちょっと目を引くカッコいいカバーの参考書です。
発音の参考書は比較的古い本が多いので、デザインなどもある程度考えられたのではないか!・・・と勝手に思っています。
コンセプト
以下、大修館書店の本参考書発売ページより
初心者にも既習者にも適した新メソッド!
長年、中国語通訳者の養成に携わってきた著者が、そのノウハウを生かし、初心者、既習者向けに中国語発音のトレーニング方法を伝授。視覚的に分かる「声調」のコツや、日本語にない音の練習法などオリジナルの工夫を満載。単語レベルに留まらず、プロソディ(文のリズム)まで含み、この1冊で中国語の発音のポイントがつかめる。
参照:大修館書店 商品紹介より引用
著者は「高田裕子さん」という、日本人の方です。
中国語通訳・翻訳業に従事され、本参考書以外にも「日中・中日通訳トレーニングブック」「文法をしっかり学ぶ中国語」などを書かれています。
僕が使ってみた感想は、「日本人が難しい、苦手と感じる箇所を、日本人目線でとても丁寧に説明されている」と思いました。
日本人著書ならではの良い点ですよね!
カバー帯にもこのような内容で、初心者向けにわかりやすく説明してくれています。
身近な事例や見やすいイラストを使って、日本人にとって分かりやすいトレーニング方法を紹介する!
というのが、この本のコンセプトです。
全体感
本参考書の各内容はこんな感じです。
- STEP1 発音のコツをつかみましょう
- STEP2 ピンインを正しく読みましょう
- STEP3 苦手を克服しましょう
- STEP4 中国語らしいリズムで話しましょう
STEP1では、各「母音」「子音」に関して、イラストと音声を使って説明されています。
STEP2では、1で習ったピンインを用いながら、声調(四声)に特化したパートです。
個人的に、この声調(四声)に関する説明がすごく丁寧だな!と思いました。
※詳細後述
STEP3では、日本人が苦手とされる箇所に特化したパートです。1、2のおさらいにもなり、さらり丁寧に掘り下げて説明してくれています。
STEP4では、発音から会話をうまくするための著者なりの方法と秘訣が書かれています。
本参考書ではP8に「本書の使い方:発音マスターへの4ステップ」と題目で、
本参考書をどういうふうに使ったらいいのか?どう使うとより効果的なのか?が1ページでまとめられています。
参考書を買ったはいいものの、どういう風に使っていいかわからず、最初の数ページを読んで挫折してしまう人も多いですよね。
しかし、本参考書は“使い方”を簡単に説明してくれています。
「学習者に優しい」、「学習者目線」で内容をまとめてくれているのです!
“使い方”に関しては、僕なりの使い方もまとめてみましたので、後ほどご紹介しますね。
良いところ
僕が実際に使ってみて感じた良いところをまとめるとこんな感じです。
- “録音”する勉強方法を推奨している
- 声調(四声)の説明が詳しい
- イラストがシンプルで分かりやすい
- 日本人が苦手な発音を丁寧に説明
録音勉強法
先ほど触れました「本書の使い方:発音マスターへの4ステップ」内で記載されていますが、本参考書は「自分の声を録音する」勉強方法を推奨しています。
著者は本参考書でこう言っています。
CD音声を聞く → 録音しながら真似して発音する → CD音声と録音した自分の発音を比較する → CD音声を聞く → 録音しながら真似して発音する ・・・ 必ずこの手順を繰り返してください。
「自分で欠点に気づくこと」、これこそ発音マスターの近道です。参照:中国語発音マスターCD付き P8より引用
この録音勉強方法は、超絶おすすめしています。
その録音勉強方法に関しては、こちらの記事をご参考ください。
最初は恥ずかしいと思うかもしれませんが、中国語能力を間違いなく高めてくれる勉強方法です!
声調(四声)の説明が詳しい
声調に関しては、説明が2〜3ページでさらっと紹介して終わる参考書も多いです。
しかし、本参考書では「STEP2 ピンインを正しく読みましょう」内で、約20ページにわたり説明がされています。
ただ説明が長いだけでなく、ポイントを中心にとても見やすい構成で展開されています!
各声調(四声)ごとに、2〜3ページを使い、広々とした展開です。
その中に大きめな文字とイラストが展開されて、とても見やすいです!
参考書を見るときのあの嫌なストレスが少ないですね 笑
どうですか?見やすいでしょ。
音節ごとに高低差が大きく分かれていていて、一目見てすぐわかる作りとなっています。
上の画像にある「赤い囲み」と「黄色い下線」を入れた箇所が更に嬉しい箇所です。
「赤い囲み」箇所は、声調(四声)のポイント以外での発音ポイントをおさらい的に記してくれています。
「黄色い下線」箇所は、習った声調(四声)がしっかり習得できているかを確認するドリルとなっています。
そして、その確認のために「ディクテーション」が使われています。
この声調(四声)の各パートは、ただ長くだらだらと説明がされているのではなく、中国語学習者にとって「見やすく」「分かりやすく」そして随所に「発音を定着させるためのコツ」が散りばめられているのです!
イラストがシンプルで分かりやすい
本参考書は全体的にイラストが分かりやすいです。
例として、子音「d(e) t(e) n(e) l(e)」の口の中、舌の使い方を見てみるとこんな感じです。
口の中も、「舌の形・位置、歯の位置」がシンプルに分かりやすく描かれています。
「この位置から発音スタート」と書かれているのも大きなポイントです!
下の画像は「中国語発音の基礎」内にある同じ発音箇所ですが、本参考書のイラストがいかにシンプルで分かりやすいかが分かるかと思います。
日本人が苦手な発音を丁寧に説明
「STEP3 苦手を克服しましょう」では、日本人が苦手な5つの発音にフォーカスし、詳細に説明しています。
- そり舌音「zh ch sh r」
- 鼻母音「n ng」
- 有気音・無気音
- 間違いやすい発音「ü üe üan ün」
- 間違いやすい発音「f h」
これらはどれも初心者を悩ませる発音ですよね。
僕は特に「f(u) とh(u)」の違いが何度聞いても分からなくて、そり舌音「r」なんて何度やってもうまく発音できませんでした・・・(>_<)
本参考書は、これら日本人の苦手な発音箇所を、初心者目線ですごーく丁寧に説明してくれています。
そり舌音のパートでは、最初に著者ならではのコツをつかむための考えとポイントが説明されますが、この後は更に細かく、初心者にも分かりやすく書かれています。
そり舌音「zh ch sh r」だけでも、12ページもあります!!
しかし、ただ長い!量が多い!というわけではなく、どのページも見やすい構成になっているので安心してください。
悪いところ
- CD音声による発音練習が短い
- カタカナ発音によるポイント説明
僕が実際に使ってみて感じたのはこの2点です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
CD音声による発音練習が短い
CDは1枚付きで、66トラック・約1時間分収録されています。
これだけ見たら、そこそこの量と思うかもしれませんが、「STEP4 中国語らしいリズムで話しましょう」では短いフレーズの中国語音声が流れます。
そのため、STEP1〜3の基本となる「母音・子音」の発音音声が少なめだなーと思いました。
それと、音声中の「題目・各区切りの番号」で流れてくる日本語が個人的には嫌です。
参考に、そり舌音「zh」の音声パートを聞いていてください。
カタカナ発音による発音ポイント説明
本参考書のコンセプトは前述しましたが、
身近な事例や見やすいイラストを使って、日本人にとって分かりやすいトレーニング方法を紹介する!
「日本人にとって分かりやすい」ということからも、本参考書では「カタカナ」を用いた発音の紹介が多数見られます。
一つ例を見てみましょう。
そり舌音「zhui」ではこう説明されています。
日本語で「タ」と発音する時に舌の当たる位置に、舌先だけを当てて「ジュイ、ジュイ、ジュイ」と言います。“ui”は、唇を丸くし少し突き出すようにして「ウ」とやや弱く発音した後、口をぐっと横に引いて「イ」と強く、「ウイ」となめらかに発音します。これが“zhui”です。
一通りの発音能力を身につけている人が見たら、結果的に「あーなるほどねー」と思えます。
しかし、初心者や初級者の人がゼロからこのカタカナ説明で、ポイントをうまくつかめて、うまく発音できるかと考えると、正直「うーん、難しいかなぁ」と思います。
中国語の発音は「口の形、唇の形、舌の位置、音の出し方、口全体の筋肉の使い方」などどれをとっても日本語のカタカナ発音とは異なります。
そのため、あまりカタカナを意識し過ぎると、逆にポイントからズレてしまう可能性が高いのです。
活字のポイントだけに目を向けず、本参考書でも推奨されている「録音勉強法」を用いながら、目標とする発音と自分の発音を聴き比べ、修正を繰り返しながら発音のポイントを掴むことをおすすめします!
中国語発音マスターの使い方
「中国語発音マスター」を使った、中国語の発音を習得するためのおすすめ使い方をご紹介します。
- STEP1「母音・子音」パートを精読・ポイント理解
- ①と並行してSTEP3パートで発音の詳細確認
- ①を音読・オーバーラッピング・シャドウイング
- ②を音読・オーバーラッピング・シャドウイング
- 、※各発音マスタードリルは忘れずに実施
- STEP2「声調(四声)」パートを音読・オーバーラッピング、※各発音マスタードリルは忘れずに実施
音読をする際は、本参考書でも推奨している「録音勉強法」を活用してみて下さい。
また、「各発音マスタードリル」では、ディクテーションによる習得度合いを確認する項目があるので、忘れずに活用しましょう!
P10〜40では、基本となる「母音・子音」のポイントが説明されています。
先ずはこれらポイントを読み込みましょう。
ポイントが分かったら次は実際に参考書を見ながら、音読してみて下さい(参考書を見ながら対象の発音を発声)。
一通り音読をしてみて、自分でも正しい発音が出来てきたなーと思ったら、スマホの音声録音機能を使い、音読を録音してみて下さい。
目標とする発音に対し、自身の発音がどうなのか?自分自身で気づくことが大切です!
CD音声を聞く → 録音しながら真似して発音する → CD音声と録音した自分の発音を比較する → CD音声を聞く → 録音しながら真似して発音する ・・・ 必ずこの手順を繰り返してください。
「自分で欠点に気づくこと」、これこそ発音マスターの近道です。参照:中国語発音マスターCD付き P8より引用
発音のコツが分かり、目標音声へ近づいてきたら「オーバーラッピング」「シャドウイング」に移ります。
参考:オーバーラッピング
参考書を見ながら、中国語の音声と同時に自分で発音してみます。
音声:yōu yóu yǒu yòu
自分:yōu yóu yǒu yòu
オーバーラッピングまでスムーズにできるようになったら、次はシャドウイングに移りましょう。
参考:シャドウイング
参考書を見ずに、音声だけを聞き、その音声に少し遅れて自分で発音します。
音声:yōu yóu yǒu yòu
自分:yōu yóu yǒu yòu
P10〜40の基本となる「母音・子音」パートでは、CD音声が10分程度と短いので、オーバーラッピング、シャドウイングを繰り返し行うことで、中国語発音の基礎力をつけ、自分なりの型を作ることができます。
そのあとは、STEP2「声調(四声)パート」も同じような要領で練習していきます。
まとめるとこんな感じです。
下の表にある数字は、勉強する順番を表しています。
精読 | 音読(録音) |
オーバーラッピング | シャドウイング | |
STEP1「母音・子音基礎」 STEP3「日本人の苦手発音パート」 |
1 | 2 | 3 | 4 |
STEP2「声調(四声)パート」 | 5 | 6 | 7 | 8 |
STEP1〜4 通し | 9 |
「STEP1〜4通し」までいくと、スキマ時間のシャドウイングだけでokです!
しかし、通しのシャドウイングを通して、少しでも苦手な発音があれば、再度本参考書を見て、その場所だけでも音読からやり直して、補強していきましょう。
CD音声が約1時間あるので、通しのシャドウイングを毎日繰り返し、1か月経った頃には中国語発音の基礎が出来上がります!
中国語発音マスターは買いか?
はじめての発音特化型の参考書として、おすすめします!
参考書全体を通して、とても見やすく整理されているので、初めて買う発音特化型の参考書として選んでも良いかと思います。
「身近な事例や見やすいイラストを使って、日本人にとって分かりやすいトレーニング方法を紹介する!」が実現された参考書です。
また、「良いところ」でも触れましたが、本参考書は他と比較して「声調(四声)」について詳しく分かりやすくまとめられています。
声調(四声)が苦手な人が、声調(四声)を強化するためにもおすすめできる参考書です。
注意点としては、CD音声が少なめなので、他の発音参考書を使いながら補っていったほうがいいかもしれません。
本参考書に関して、どのような内容か少しはお分り頂けましたか?
本レビューが中国語学習のお役に立てたらとても嬉しいです。
▼「一番おすすめの発音本は?」中国語発音本のランキング記事はこちら
それではまた
那我们下期再见!
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