大家好!チュウコツです(@chukotsu_twitter)
中国語の習得には、最初に単語を暗記しないと何も始まりません。
僕個人の感覚ですが、最初はとにかく1,000語程度の単語を暗記しないと、簡単な会話でも難しい感じです。
中国語学習は、この初期の単語丸暗記がとてもしんどいです。
人間の脳みそは、中国語単語という新しい記号を見せられても、それは日常生活に意味のない記号のようなものとして、記憶に定着させることを拒否するのです。
僕は前に上海に住んでいましたが、それでも中国語の単語はなかなか覚えることができませんでした。
そんな中、日本に戻ってから、あるモノを使い、とても効率的に中国語の単語を覚えてきました。
それが、「Anki」アプリです!
本記事では、中国語の単語勉強をとても効率・効果的に覚えることができる「Anki」に関してまとめました。
単語の暗記に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください!
記事の要約
- 超おすすめアプリ「Anki」のスゴさがわかる!
- 「Anki」は脳科学に基づき効率・効果的にワークする。
- 「Anki」は長期記憶を必要とする語学学習者におすすめ。
- 「Anki」の導入方法がわかる。
「発音、単語、辞書、翻訳、ドラマ、リスニング、ニュース、初心者」などの目的別厳選アプリを探している方は、こちらの記事もぜひご参考ください。
▼中国語がぐんぐん伸びる!中国語勉強に役立つアプリ虎の巻はこちら
もくじ
記憶のメカニズム
「人間の脳はそもそも復習しないと忘れるようにできている」
これは、ドイツの心理学者であるヘルマン・エビングハウスによって証明されています。
下の画像は「エビングハウスの忘却曲線」と呼ばれるものです。
ここからわかることは、「人はその日に覚えたものを1日後には半分以上は忘れていく」ということです。
また、脳科学によると、人間の脳は情報が入ってくると、重要なものかそうでないものかを判別し、重要でなかったらすぐに忘れるようにできています。
「先週水曜の夜は誰と何を食べたか?」は忘れたとしても、「奥さん・恋人の誕生日」は覚えているでしょう(笑)
このメカニズムによって、人間は混乱することなく日々の膨大な情報を処理することができるようになるのです。
そして、僕らの身の回りのほとんどの情報は、すぐに忘れるべきものとして処理されます。
覚えておかなければならないモノ、コトに関しては、この「忘れるべきものフィルター」を突破しなければならないのです。
では、その方法は何か?
それが、先ほど出てきたエビングハウスの忘却曲線や、多くの研究成果から導き出された、Speach Repetition learning Systems(SRS)を用いることです。
SRSを簡単に言うと、分散学習、間隔反復と呼ばれます。
間隔をあけた復習とは、前の学習から、その学習内容の復習までの間隔を延ばしてゆくことにより、心理学の間隔効果を利用して効果をあげる学習技術である。
この原理は多くの分野において有効であるが、間隔反復は、学習者が非常に多くの事柄を長期に記憶しなければならない分野に適用されることが多い。第二言語習得の分野での語彙の習得に、この手法が適しているのは、この分野が対象とするいわゆる開いたクラスの単語数が膨大であるからである。
参照:ウィキペディア「間隔反復」より引用
これでも、ちょっと難しいですよね(笑)
しかし、やることはとても簡単です!
それが、
「Anki」アプリを使い単語の反復学習をすることです。
「Anki」とは?
僕もそうでしたが、単語の暗記といったら、ひたすら書いたり、ブツブツ言いながら単語を頭に詰め込む「集中学習」を行なっている人が多いと思います。
この「Anki」は、そんな「集中学習」とは異なる「間隔反復・分散学習(SRS)」を用いて、単語を効率的に暗記していきます。
「Anki」とは?(簡単に言うと)
間隔反復・分散学習(SRS)を自動で用いて、効率よく情報を記憶に定着させることができる「単語カード」ソフト・アプリです。
難しい言葉が出てきてますので、「Anki」がどのようなものなのか?それぞれ簡単に説明していきます。
SRSに関しては、7ヶ国語を操る著者が書いた「脳が認める外国語勉強法」でも推奨されています。
▼「脳が認める外国語勉強法」のレビュー記事かこちら
単語や文法のインプット量が多い時期の方に、とても参考になると思います!
「単語カード」ソフト・アプリ
英語などの単語勉強で、単語カードを使ったことがある人は多いと思います。
「Anki」はまさにこの単語カードの表裏をツール化したものです。
「表(覚えたい単語 例:気持ちがいい)」→
「裏(正解・意味 例:惬意)」
表面をタップすると、その正解である裏面が出てきます。
単語カードのように、表面と裏面は自由にアレンジできるので、単語に限らず長いフレーズなどを入れ込んだりすることも可能です。
上の画像を見ていただいてもわかるように、単語とその単語を活用したフレーズなどを入れ込むことができます。
「表(日文:夏、海で泳ぐのはこの上なく気持ちが良い)」→
「裏(中文:夏天在海边游泳,十分惬意」)
※裏面にはピンインを追記したり、ポイントとなる単語の情報を追記したりとアレンジ自在です。
そう!「Anki」は瞬間中作文を行うのにもすごく適したツールなのです。
▼「瞬間中作文」の詳細はこちら
忘れやすい単語を頻繁に勉強する仕組み
単語カードの場合、暗記対象のカード順番は、自分で決めなければなりません。
自分で作った単語カードを使い慣れてくると、カードの順番で単語の意味を覚えてしまった!なんてこともあるでしょう(笑)
そうなってくると、「単語カードを適当にシャッフルしてカードの順番を変えたり」、「覚えにくいカードを前の方に持ってきて集中的に覚えたり」などして、自分なりにアレンジしていた人も少なくはないのでしょうか?
「Anki」はそんな非効率な作業は不要です。
「Anki」は、脳科学的に最も効率的・効果的に対象カードを記憶に定着させるよう、自動でこれら(カードの割り振り)を行なってくれるのです。
「間隔反復・分散学習(SRS)」を用いて、新しい単語の勉強開始から復習間隔を「1日後→ 2日後→ 5日後→ 7日後…1か月後→…」等と伸ばしていきます。
単語勉強は復習が大切ですが、自分で管理するのは難しく、それに労力を取られてしまいがちです。
しかし、「Anki」を使うと、復習が必要な単語を、一番記憶に定着させやすいタイミングで出題してくれるのです。
PC版とスマホ版で同期
「Anki」は以下の4種類に分かれます。
Anki Web | 無料 | ブラウザで利用。アカウント作成はここで。 |
Anki | 無料 | PC版 |
Anki Mobile | 有料 | iOS端末用 |
Anki Droid | 無料 | Android端末用 |
先ずはプラウザを利用し「Anki Web」からアカウントを作成。
そのあとPC版「Anki」をインストールし、スマホ版「iPhoneならAnki Mobile、AndroidならAnki Droid」のアプリをインストールします。
作成したアカウントでそれぞれログインすると、3者で同期ができるようになります。
僕の使い方は、PC版「家で新規単語のインプット(登録)」、スマホ版「スキマ時間で単語の暗記」ってな感じです。
「Anki」の基本機能
「Anki」はとても奥深いソフトで機能もたくさんあります。
主に使う基本機能をまとめます。
復習間隔管理機能
「間隔反復・分散学習(SRS)」を用いて、新しい単語の勉強開始から復習間隔を「1日後→ 2日後→ 5日後→ 7日後…1か月後→…」等と徐々に伸ばしていきます。
下の画像「吊」=吊るす という単語を新しく覚えてく際の一例です。
僕の場合は、表面に日本語の意味「ぶら下がる、吊るす」をセットし、裏面にその中国語「吊」をセットしています。
- 【1日目】「吊」の表カードが出てきたら、「10min」と「1d」の選択が出てきます。
- 【1日目】「吊」が分からなかったら、「10min」をタップします。すると、他のカードに紛れて約10分後に再度「吊」の表カードが出題されます。そこからは①と同じです。
- 【1日目】「吊」が分かったら「1d」をタップします。そうすると、1日後に再度「吊」が出題されます。
- 【2日目】他のカードに紛れて「吊」の表カードが出題されます。
- 【2日目】「吊」が分からなかったら、「10min」をタップします。そこからは②と同じです。
- 【2日目】「吊」が分かったら、難易度に応じて「2d (うる覚え)」「3d (なんとか覚えてた)」「4d (余裕!)」をタップします。
- 【数日後】「吊」の表カードが出題されたら、④以降と同じです。
数週間繰り返していくと、選択箇所が画像のように「1.8mo〜2.6mo」と復習間隔がかなり先になってきます。
もちろん、その時に「吊」の意味が分からなければ、「10min」をタップし、また1からやり直しです。
しかし、積み重ねがある分、復習間隔の幅は前よりも早い段階で伸びていきますね。
脳は
✔︎思いだすと忘れない
✔︎忘れる直前に思いだす
✔︎過去の記憶を上書きする
と、記憶の定着率が増す。要は「適度な間隔を空けて思いだす作業を行う」
今日覚えた単語は適度に寝かす、忘れそうな時に思いだす作業を行う。これを繰返す。
この学習方法が「分散学習」#脳が認める外国語学習法 pic.twitter.com/qrJa1snSeQ— チュウコツ@コロナ影響で上海駐在遅延中🇨🇳 (@chukotsu) February 20, 2020
Ankiを使うと、脳にとってベストなタイミングで復習ができ、最も効率良く記憶に定着させていくことができるのです。
これが「Anki」が持つ最大の機能。
何度も繰り返しますが、間隔反復・分散学習(SRS)を自動で用いて、効率よく情報を記憶に定着させることができるのです!
単語帳機能
「Anki」は覚えたい単語を「単語帳」でグループわけすることができます。
僕の場合は「HSK6級 動詞」「HSK6級 名詞」などに分けて管理しています。
分類分けは自由なので、好みに応じて管理できるのでとても便利です!
※PC版Ankiの単語帳イメージ
僕なりの一つの使い方として、中国の映画「后来的我们」を見て、分からなかった単語や面白そうな単語を調べて、一つの「単語帳」后来的我们を作成しました。
▼中国のドラマを簡単に見れるおすすめアプリのまとめ記事はこちら
自分で興味のある単語だと、Ankiを使えばより楽しく覚えていくことができます!
※iPhone版Anki Mobile単語帳イメージ
PC版とiPhone版で単語帳が同期できるのが便利です。
この画像では、期日欄の数字が異なっていますが、そこもしっかり同期できます!
ブラウザ機能
「ブラウザ」は、Anki内にある単語カードの管理を簡単に行うことができます。
単語帳ごとに、単語カードの検索、新規登録、編集、削除、タグ追加など。
僕は、単語カードのダブりがあった時のカード削除や、ちょっと多めに編集したい時は、この「ブラウザ」を使っています。
iPhone版でも、単語カードの検索、新規登録、編集、削除、タグの追加はできます!
しかし、
PC版で使える「ブラウザ」の方が、全体感がわかりやすいので、大がかりな編集はこの「ブラウザ」を使うと便利です。
グラフ機能
Ankiで学習した日々のデータはグラフで可視化することができます。
グラフは数種類あり、分類を「単語帳別・全て」で選び、期間を「1ヶ月・1年・全期間」から選択します。
ちなみに、PC版では日本語対応のグラフですが、iPhone版ではなぜかグラフには英語が使われています・・・。
予測(Forecast)グラフでは、これから復習として出題されるカードの枚数が、「熟知(記憶に定着している)」と「未熟(まだ覚えていない)」の構成比別に、どのように推移していくのかを見ることができます。
上のグラフを例として見ると、初日は60枚強の単語カードが出題され、その60枚強のうち、熟知している単語カードが20枚強で、未熟が40枚ほど。
それが15日後には、25枚程度の単語が出題され、その25枚のうち、熟知している単語カードが20枚強で、未熟が5枚ほど。
30日後には、10枚の単語が出題され、その10枚全てを熟知している。
コレが、これまでの学習記録から、AnkiがSRSを用いて予測した「記憶の定着度合い」です。
毎日Ankiを使って勉強するモチベーションにもなりますね!
共有単語帳機能
Ankiは、自分で覚えたい中国語単語カードを追加していく必要があるのですが、別のユーザーが作成した単語帳を共有できる、共有単語帳機能があります。
しかし、中国語の共有単語帳はまだまだ数が少ないのが現状です。圧倒的に英語が多い・・・。
Anki Webから検索・ダウンロードできますので、ぜひ自分にあった単語帳がないか探してみてください。
「Anki」の導入方法
「Anki」は以下の4種類に分かれます。
Anki Web | 無料 | ブラウザで利用。アカウント作成はここで。 |
Anki | 無料 | PC版 |
Anki Mobile | 有料 | iOS端末用 |
Anki Droid | 無料 | Android端末用 |
1. 「Anki」アカウントの作成
先ずはプラウザを利用し「Anki Web」からアカウントを作成します。
ここでAnkiのアカウントを取得しないと、後でインストールするPC版、スマホ版(iOS版・Android版)の間で同期することができないのです。
「Anki Web」から下の画像のページに移動するので、右上にある「Sign up」をクリックします。
次に下の画像のページに移動するので、「メールアドレス」とご自身の「パスワード」を入力し、「Sign up」をクリックします。
すると、英語の利用規約文が出てきます。
内容が気になるという方は、Google翻訳などを利用してチェックしてみてください。
特に気をつけなければならない点は「6ヶ月アクセスがないデータは削除される」です。
僕のこれまでの経験上では特に問題なく無料で使えているので、ご自身でご確認いただき問題ないようであればチェックボックスに「チェック」を入れ、「Continue」をクリックします。
登録したメールアドレス宛に、Ankiから認証メールが届くのでメールにある認証確認URLをクリックします。
これでAnkiアカウントの作成終了です。
2. 「Anki」のインストール
そのあとPC版「Anki」をインストールします。
インストール方法はこちらのリンク先で詳しく説明されています、ご参考ください。
スマホ版「iPhoneならAnki Mobile、AndroidならAnki Droid」のアプリはこちらからインストールできます。
注意点として、iPhone版の「Anki Mobile」だけ、有料で3,060円します。
※2022年1月現在
アプリとしては高い!
しかし、僕は自信を持って「買い」とおすすめします。
実際に僕も購入して、毎日iPhone版で「Anki Mobile」を使っています。
毎日この「Anki Mobile」を使うことで、中国語の単語を効率よく記憶に定着できていると実感しているのです!
今では、使わないとスッキリしない!気持ち悪い!感じにまでなってるので、いい意味で中毒性があるアプリですね(笑)
3. 「Anki」の同期
ブラウザ版、PC版、スマホ版のインストールが終了したら、作成したアカウントを使い、それぞれを同期させます。
PC版だと、右上に同期マークがあるので、そこをクリック。
すると、メールアドレスとパスワードが要求されるので、作成したAnkiアカウントの内容を打ち込み、「ok」をクリックします。
スマホ版は開いた画面に「Synchronize」という箇所があるので、そこをクリックすると、メールアドレスとパスワードが要求されます。
PC版同様に、作成したAnkiアカウントの内容を打ち込み、「ok」をクリックします。
以上で同期が終了です。
「Anki」アプリのまとめ
中国語単語を覚えるための最強ソフト・アプリ「Anki」に関してまとめてみました。
どのようなものか理解していただけましたでしょうか?
僕はこのAnkiを毎日使用して中国語単語の勉強を継続しています。
実際に僕が毎日使用しているAnkiの使い方や、おすすめ方法に関してはこちら記事でまとめています。
これまで僕も単語勉強の一つとして行っていた、参考書などを使ってひたすら聞く・書く・読むという「集中学習」の方法は、テスト前などにはとても有効だと思います。
けど、テストが終わるとすぐ忘れちゃいますよね(笑)
要は、記憶に定着していないから、短期間は覚えていても、使える状態にまで至っていないんです。
冒頭にも触れましたが、人間の脳は復習しないと忘れるようにできいて、覚えておくには「忘れるべきものフィルター」を突破する必要があります。
Ankiを使うと、中国語の単語をしっかりと記憶に定着させ、実戦でも単語を使える状態にまで引き上がります。
Ankiは「忘れるべきものフィルター」を突破するための最高のツールなのです。
中国語の単語を早く、多く、使えるレベルで覚えたい方は、ぜひこの「Anki」を使ってみてください。
「発音、単語、辞書、翻訳、ドラマ、リスニング、ニュース、初心者」などの目的別厳選アプリを探している方は、こちらの記事もぜひご参考ください。
▼中国語がぐんぐん伸びる!中国語勉強に役立つアプリ虎の巻はこちら
それではまた
那我们下期再见!
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